三月十一日の夜のはなし / わたしのお父さん

2012年3月23日(金)~24日(土)
STスポット

ちいさな話をつたえたい。と思います。
今回上演する演劇は、どちらも現在の日本でふつうに生きている人のお話です。
ちいさな国の、都市の片隅の、ちいさな家族や個人。
ようするに、わたしたちです。
わたしたちの考えることやわたしたちに起こることは、歴史の教科書には載りません。歴史はわりと大きな網で、戦争や災害や流行など大きな物語をさらっていきます。
ですが、歴史の網の目からこぼれながら
わたしたちはそれぞれちがう物語をかかえ、それぞれ微細にふるえています。
目には映りにくいけど、ちいさく振動しています。

わたしはそのちいささが好きです。
実を言うと、ちいさいほど好きです。
愛おしいな、と思います。
光って見えます。
自分とまったく関係のない話でも。まったく遠い話でも。
ちいさく共振する場所があって、そこからあれやこれやたまらない思い出が呼び覚まされて。

今回は、大きな物語なんて知ったこっちゃありません。
お客様それぞれの物語に干渉できるものを作りたいと思います。
見てくださる方を、ちいさく震わせたいと思います。

オノマリコ


演目

三月十一日の夜のはなし
あの夜はいい夜だった。震災の夜。女は中野の店にいた。
常連さんと一緒に、飲んで歌って騒いでいた。
妹からのメール。夫からの電話。パソコン越しに見る人々の善意。
あの夜はやさしい夜だった。女は語る。2011年3月11日。夜のできごと。

一人芝居 出演:斉藤まりえ

いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく
父さんが死んだ。チベットで鳥に食べられた。
どうしてチベットになんて行ったんだろう。父さんは死ぬことがわかってた。
めったに家にいなかった父さん。
お母さんと仲が悪かった父さん。
酔っぱらって、弟に怒鳴られてた父さん。
わたしを愛してなかったかもしれない父さん。
いまいち「家族」になれなかったね。そんなわたしたち、家族の話。

三人芝居 出演:浅見臣樹、小田さやか、戸谷絵里
2010年上演「Sky Burial」を改題


作・演出 オノマ リコ

スタッフ
照明 :南香織
音響 :杉山碧
舞台美術:富永美夏、佐々木啓成
宣伝美術:杉崎壮一(FRAN)
制作協力:佐々木啓成